利根沼田広域市町村圏振興整備組合消防本部通信指令業務要綱
 
平成29年12月1日 
消本訓令甲第4号 
 
 (総則)
第1条 この要綱は、火災、救急、救助及びその他の災害(以下「災害」という。)の対処及びその他の指令業務を迅速かつ的確に処理するため、消防通信の運用及び管理について必要な事項を定めるものとする。
 (定義)
第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 指令管制業務 たかさき消防共同指令センター(以下「指令センター」という。)内において、災害の発生又は発生のおそれがある通報の受信、災害情報の収集及び伝達並びに指揮隊、消防隊、救急隊、救助隊、特殊車両部隊等(以下「消防部隊」という。)の出動及びその運用に係る有線又は無線を媒体とした通信(以下「通信」という。)による指令管制に関する業務をいう。
(2) 消防指令システム 指令センターと利根沼田広域市町村圏振興整備組合消防本部(以下「消防本部」という。)及び各署に設置した、指令センター設備、消防本部設備、各署設備等の総称をいう。
(3) 消防通報用電話 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第50条第1項の規定による総務大臣が定めた「119」で、指令センターに災害を通報する電話をいう。
(4) 消防通信 災害の対処又は消防活動上必要な通信で、次に掲げるものをいう。
ア 災害通報 災害が発生し又は発生のおそれがあると認められるときに消防通報用電話、消防本部及び各署に設置された加入電話(公衆回線に接続されている電話をいう。以下同じ。)並びにかけつけ等により通報される通信。
イ 指令 指令センターから発する消防部隊の出動に関し指示命令をする通信。
ウ 現場報告 災害活動に従事する消防部隊から指令センターへ通報される当該災害の状況、活動内容、応援要請等に関する通信。
エ 活動支援情報 指令センターから災害活動に従事する消防部隊へ災害活動に必要とされる支援情報(災害活動を迅速かつ的確及び安全に遂行するため必要な情報をいう。以下同じ。)を伝達するための通信。
オ 業務通信 指令センター若しくは消防本部等又は消防部隊から警察、電気事業者、ガス事業者及びその他の関係機関(以下「関係機関」という。)に対し、災害に関する情報を通報するための通信。
カ 消防情報通信 指令センターから発せられる当該災害の推移状況及び活動内容並びにその他消防業務上必要な情報を消防本部等に通知するための通信。
キ 通常通信 災害以外の消防業務に関し、指令センター若しくは消防本部等又は消防部隊間で行う通信。
(5) 指令 災害の種別に応じ、次のとおり区分する。
ア 火災指令 人の意図に反し又は放火により発生し、若しくは拡大した燃焼現象及び爆発現象に対する、消防活動を行うための指令をいう。
イ 救急指令 災害若しくは事故及び疾病により生じた傷病者又は医師及び資機材等を医療機関等へ搬送するための指令をいう。
ウ 救助指令 災害若しくは事故により生命及び身体に危険が及んでいる要救助者を安全な場所に救出するための指令をいう。
エ その他指令 火災指令、救急指令及び救助指令に属さない指令をいう。
(6) 自然災害等 気象災害、地震災害及び火山災害の誘因によって引き起こされる災害現象をいう。
(7) 同時多発災害 自然災害等を含め同時広域的に発生する災害現象をいう。
(8) 本部対応事案 同時多発災害時等の際に、消防本部で対応する事案をいう。
 (通信取扱者の責務)  
第3条 通信取扱者は、法令を遵守し、消防指令システムの機能を十分発揮させるよう努めなければならない。
 (目的外の使用禁止)
第4条 通信取扱者は、消防指令システム及び各種情報を消防通信以外の目的に使用してはならない。
 (時刻の表示)
第5条 消防通信に使用する時刻の表示は、24時間制により行うものとする。
 (消防通信の優先順位)
第6条 消防通信の優先順位は、災害に係る緊急かつ重要な通信を優先し、原則として次の各号に定める順序によるものとする。
(1) 災害通報
(2) 指令
(3) 現場報告
(4) 活動支援情報
(5) 業務通報
(6) 消防情報通信
(7) 通常通信
 (通信取扱者の遵守事項)
第7条 通信取扱者は、消防指令システムの機能に精通し、常に冷静な判断と的確な操作ができるよう努めるとともに、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 通信機器を消防通信以外に使用してはならない。
(2) 業務中に知り得た情報及び秘密を漏らしてはならない。
(3) 通信は、簡潔明瞭を旨とし、暴言、冗語等を交えてはならない。
(4) 通信内容に自己判断による注釈を加え、又はその内容を独断で処理してはならない。
 (災害通報の受信)
第8条 通信取扱者は、災害通報を受信したときは、災害の種別、災害の発生場所、災害の概要、傷病者の状況、その他必要な事項を迅速かつ的確に聴取しなければならない。
2 通信取扱者は、災害通報を受信したときは、速やかに指令センターへIP電話等で連絡するものとする。
3 通信取扱者は、指令センター管轄以外に係る災害通報を受信したときは、速やかに当該地域を管轄する消防本部に通報しなければならない。
4 通信取扱者は、災害通報を受信したときは、必要に応じ応急手当の口頭指導に努めるものとする。
(災害通報の覚知区分)
第9条 災害通報の覚知区分は、別表第1に掲げるところによる。
 (指令の区分)
第10条 指令の区分は、火災指令、救急指令、救助指令及びその他指令とする。  
 (消防部隊の報告)
第11条 各隊の隊長は、指令センターが消防部隊の位置及び動態を常に掌握できるよう自隊の位置・動態等を報告しなければならない。
 (無線局の呼出名称)
第12条 無線局の呼出名称は、別に定める。
 (無線局の開局)
第13条 各署は、統制波、主運用波及び消防本部の活動波を常時開局しておかなければならない。
 (無線通信の原則)
第14条 無線局は、免許状記載事項以外の通信を行ってはならない。
2 無線通信に使用する用語は、できる限り簡潔でなければならない。
3 無線通信を行うときは、呼出名称を付してその出所を明らかにしなければならない。
4 無線通信は確実に行うものとし、通信上誤りを知ったときは、直ちに訂正しなければならない。
 (周波数の運用)
第15条 通信取扱者は、指令センターの指示又は通信が輻輳したときなど、無線通信の運用上必要があると認めるときは、周波数を変更して通信しなければならない。
 (周波数の指定運用)
第16条 通信取扱責任者は、災害が多数発生し又は発生が予想され無線通信の運用上必要があると認めるときは、指令センターの指示により免許状記載の範囲内で周波数の指定運用を行わなければならない。
 (無線通信の規制)
第17条 指令センターの指示により無線通信の運用上必要とするときは、別表第2に掲げるところにより、無線通信を規制するものとする。ただし、通信規制中、緊急に通信の必要が生じたときは、この限りでない。
 (通信状況の監視、聴取義務)
第18条 通信取扱者は、常に基地局及び陸上移動局の通信状況を監視し、適正な無線運用を行わなければならない。
 (発信規制)
第19条 無線通信の規制を必要とするときは、消防救急デジタル無線共通仕様書第1版に基づき発信規制することができる。
 (無線局の通信要領等)
第20条 無線局の通信要領及び災害通信における通信内容の秘密の保持を図るため、別に定める通信要領及び略語を使用するものとする。
 (通話試験)
第21条 無線局の通話試験に関する事項は、別に定める。
 (気象等の情報)
第22条 通信取扱者は、群馬県又は前橋地方気象台から気象業務法第2条に規定する気象、地象及び水象に関する情報を受けたときは、速やかに当該情報を各署及び消防部隊へ通報するものとする。
 (災害通報受信時の情報の収集及び伝達)
第23条 通信取扱者は、必要により災害通報の受信状況を把握し、災害活動に必要な情報の収集に努め、災害活動中の消防部隊に伝達しなければならない。
 (同時多発災害時の運用)
第24条 同時多発災害発生により、指令センターの処理能力を超えた場合は、本部対応事案とし運用するものとする。
 (消防相互応援時の運用)
第25条 隣接応援区域における災害は、消防相互応援協定等に基づき運用するものとする。
 (関係機関への連絡)
第26条 通信取扱者は、災害等に関する情報を必要に応じ関係機関に連絡するものとする。
 (関係機関への報告)
第27条 通信取扱者は、災害等に関する情報を必要に応じ群馬県又は国に報告するものとする。
 (通信機器障害時の措置)
第28条 通信取扱者は、消防通信に障害等の発生を知った場合は、次の定めにより必要な措置をとるものとする。              
(1) 各種通信機器の試験を実施し、有線機器に障害を確認したときは、無線通信その他の通信方法により指令センター、各署及び消防部隊間の通信確保を図るものとする。
(2) 消防部隊等の運用に必要があると認めるときは、通信規制を行うものとする。又、指令センターから通信規制が指示されたときは、その指示に従わなければならない。
(3) 消防通信の障害状況を指令センター、各署及び消防部隊に通報するものとする。
 (署端末装置の障害)
第29条 署端末装置に障害が発生したときの出動指令等は、無線通信、加入電話等によるものとする。
 (消防無線の障害)
第30条 無線通信に障害が生じ又は災害が同時に多発し、通信に輻輳などが生じたときは、周波数の指定運用又は通信規制による他、携帯電話等により通信するものとする。
 (災害通報の切り替え)
第31条 消防通報用電話回線に障害が発生し、指令センターがその受信を消防本部へ切り替えたときは、中央消防署で対応しなければならない。
 (訓練等)
第32条 管理責任者は、通信取扱者に対し常に災害状況に応じた通報の受信要領等の訓練を行わせなければならない。
 (録音記録)
第33条 消防通報用電話回線に障害が発生し、指令センターがその受信を消防本部に切り替えたときは、災害の受信状況を明らかにするため、災害通報内容を録音しなければならない。
 (補則)
第34条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。
   附 則
 この訓令は、平成30年1月1日から施行する。
別表第1(第9条関係)
災害通報の覚知区分表
覚知区分 内容
火災通報専用電話
(IP電話等から)
IP電話(FAX含む)等からの119番通報によって、災害を覚知したもの
火災報知専用電話
(固定電話から)

 
NTT加入電話(FAX含む)の一般公衆網(アナログ・ISDN)、火災通報装置等からの119番通報によって、災害を覚知したもの。
火災報知専用電話
(携帯電話から)
携帯電話及びPHSからの119番通報によって、災害を覚知したもの。
加入電話
(固定電話から)
一般加入電話、IP電話(FAX含む)及びヘルプネットからの通報によって、災害を覚知したもの。
加入電話
(携帯電話から)
携帯電話及びPHSからの通報によって、災害を覚知したもの。
警察電話
 
警察専用回線から火災を覚知したもの。
なお、火災以外は、警察機関から災害を覚知したもの。
かけつけ通報
 
災害を消防機関に直接来庁して通報し、災害を覚知したもの。
自己覚知 自己対応可能な消防部隊が災害を覚知したもの。
有線電話
 
消防本部等が有線電話からの通報によって、災害を覚知したもの。
消防
 
自己対応不能な消防部隊が災害を覚知し、対応可能な消防部隊を要請したもの。
事後聞知 災害を事後に覚知したもの。
その他
 
専用線(NEXCO東日本等)及びネット119並びに上記以外の方法によって、災害を覚知したもの。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
別表第2(第17条関係)
無線通信の規制
種別 通信規制を必要とする場合 通信規制内容
第1通信規制


 
通信が混乱し又は混乱が予想されて、通信規制の必要があると認められる場合
 
指令センター及び指揮本部並びに各署の指定された1移動局からの通信以外は行わないものとする。
 
第2通信規制



 
大規模災害、同時多発火災等が発生し、又は発生の恐れがあり、通信規制の必要があると認められる場合
 
指令センター及び指揮本部からの通信以外は行わないものとする。


 
第3通信規制

 
特に強力な通信規制の必要を認められる場合
 
指令センターからの通信以外は行わないものとする。